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平成29年度分の確定申告から医療費控除等で領収書の添付が不要に

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平成29年度分の確定申告から医療費控除等で領収書の添付が不要になります。

ただしくは、医療費の領収書の添付から医療費の明細書の添付に変更されます。

平成29年度税制改正制定までの経緯

  • 平成28年12月8日 自民党・公明党が「平成29年度税制改正大綱」を発表
  • 平成29年2月3日 平成29年度税制改正関連法(所得税法等の一部を改正する法律)案を閣議決定し、国会に提出
  • 平成29年 2月27日 衆議院 可決
  • 平成29年 3月27日 参議院 可決
  • 平成29年4月1日 公布

平成29年度税制改正はどんな内容か

いわゆる平成29年度税制改正、所得税法等の一部を改正する法律の内容は、まだちゃんとしたのは公開されていませんが、法律案は確認できます。

●所得税法等の一部を改正する等の法律案

この中に、「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し」や、「ビール税の一本化」なども含まれており可決前から注目されていました。

その他にもにもいろいろ改正があるのですが、私が気になっていたものに「確定申告書に添付提出する医療費控除等の領収書が不要になる」というものがあります。

上記表現では誤解を招きかねまません。
私自身、この税制改正について単に領収書の提出が不要になるのかと勘違いしていたからです。

法律案

法律案では以下のように書かれてあります。

第百二十条第三項第一号中「、医療費控除」を削り、同条第六項を同条第八項とし、同条第五項を同条第七項とし、同条第四項を同条第六項とし、同条第三項の次に次の二項を加える。

4 第一項の規定による申告書に医療費控除に関する事項の記載をする居住者が当該申告書を提出する場合には、次に掲げる書類を当該申告書に添付しなければならない。

一 当該申告書に記載した医療費控除を受ける金額の計算の基礎となる第七十三条第二項(医療費控除)に規定する医療費(次項において「医療費」という。)の額その他の財務省令で定める事項(以下この項において「控除適用医療費の額等」という。)の記載がある明細書(次号に掲げる書類が当該申告書に添付された場合における当該書類に記載された控除適用医療費の額等に係るものを除く。)

二 高齢者の医療の確保に関する法律第七条第二項(定義)に規定する保険者又は同法第四十八条(広域連合の設立)に規定する後期高齢者医療広域連合の当該居住者が支払つた医療費の額を通知する書類として財務省令で定める書類で、控除適用医療費の額等の記載があるもの

5 税務署長は、前項の申告書の提出があつた場合において、必要があると認めるときは、当該申告書を提出した者(以下この項において「医療費控除適用者」という。)に対し、当該申告書に係る確定申告期限(当該申告書が国税通則法第六十一条第一項第二号(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)に規定する還付請求申告書である場合には、当該申告書の提出があつた日)の翌日から起算して五年を経過する日(同日前六月以内に同法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求があつた場合には、当該更正の請求があつた日から六月を経過する日)までの間、前項第一号に掲げる書類に記載された医療費につきこれを領収した者のその領収を証する書類の提示又は提出を求めることができる。この場合において、この項前段の規定による求めがあつたときは、当該医療費控除適用者は、当該書類を提示し、又は提出しなければならない。

要約

これを掻い摘んで要約すると、確定申告書に医療費控除に関する事項を記載(医療費控除を申請)する場合、「医療費控除を受ける金額の計算の基礎となる明細書」を添付しなければならない。

税務署長は、医療費控除に関する事項が記載された申告書の提出があった場合、申告者に対し過去5年分までさかのぼって「医療費控除を受ける金額の計算の基礎となる明細書」の根拠となる領収書の提出を求めることができる。

税務署長から「医療費控除を受ける金額の計算の基礎となる明細書」の根拠となる領収書の提出を求められた場合、当該書類を提示または提出しなければならない(医療費の領収書の5年間保管義務)。

つまりどういうことだってばよ

つまり、医療費控除を申請する場合、医療費の領収書の提出が不要になるのではなく、領収書に変えて明細書の添付が必要となる改正です。

また、添付提出するのは領収書と明細書のいずれかを選択できるのかと思っていましたが、明細書の添付提出一択となります。

ただし経過措置として平成29年から平成31年分までは領収書の提出でもかまわないことになっています。

これまでは、私は国税庁が公開している「医療費集計フォーム」で明細書を作成し、その明細書と領収書を確定申告書に添付して提出していました。

「明細書だけでいいのなら、郵送提出にかかる郵便代が安くすむな」とか「いやいや手元で領収書を5年も保管しておくのは面倒だから、税務署に預けよう」などと考えていました。

しかし、それらは勘違いしていたことによる誤った認識でした。
結果として、自宅保管しておかねばならない書類が増えるという改正内容でした。

経過措置のある平成31年分までは領収書を税務署に添付提出しておき、平成32年分以降は自宅保管するようにしておくかこのあたりは好みとなるでしょう。

追徴課税の原因となりかねない改正か

この改正を受けて前述のように感じただけでなく、もしかしたら「追徴課税・加算税が取りやすくなった改正」ではないかとも考えました。

もし税務署が意地悪であれば、お年寄りらに5年前の医療費控除の計算と基礎となった領収書の提出を求めれば大概の医療費控除額を修正申告を求めることができるのではないか。と考えられるからです。

その税収は軽く見積もってもおいくら万円か。

とはいえ、そこまで鬼のような税徴収を行うことは考えにくいかもしれません。

マイナンバー等で紐づけされた保険証等々から支払った医療費のウラはかんたんに取れそうだし。
それを元に領収書の再発行を求めれば、ギリ修正申告なしですむかもしれません。

もしかしたら、マイナンバーによる医療費の確認を求めた司法判断を仰ぐ事例もでてくるかもしれません。

その事例がでてきたほうがオラワクワクすっぞ!

明細書の様式

ところで領収書のかわりの明細書はどのような様式なのでしょうか。

国税庁が公開している「医療費集計フォーム」で作成できるもので構わないだろうと思っていますが、確認しておきましょう。

現状、平成29年度税制改正による可決後の情報は国税庁のウェブサイトでも情報はすべては公開されていません。

前述の法律案で記載されている内容から確認してみましょう。

医療費控除を受ける金額の計算の基礎となる第七十三条第二項(医療費控除)に規定する医療費の額その他の財務省令で定める事項の記載がある明細書

第七十三条第二項に規定する医療費の額とは

所得税法 第七十三条第二項を確認してみましょう。

2  前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。

これを受けて所得税法施行令 第二百七条において、医療費の範囲が規定されています。

これまで、医療費控除として使用できる領収書を集めていましたが、明細書でも同じ内容を記載したものである必要があるということです。

やはり、「医療費集計フォーム」で作成できるもので構わないことと思います。

とはいえ、現在公開されている「医療費集計フォーム」では、これまでの医療費控除用の集計にしか対応しておりませんので、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の申請を視野に入れている場合、期中における集計に注意が必要でしょう。

参考リンク

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